ニュージランドで鍼灸師をやっている姉が、70歳の女性の患者さんと会話をしている時、「30過ぎたら女はみんな同級生よ。」と言われたそうだ。
どういうシチュエーションで、この言葉が発せられたのか、今は覚えてはいないのだけれど、私は姉からエピソードを聞いてから、「30過ぎたら女はみんな同級生。」というフレーズが妙に気に入っていた。
東京に住んでいた頃、今から2年くらい前。私は、月に2回英語の個人レッスンを受けていた。先生は、73歳の日本人女性で、倒産してしまったけれど、かつて栄華を極めたアメリカの大手航空会社、パンナムエアーでフライトアテンダントをしていた女性だ。
現役時代は、ハワイをベースに、ミニスカートの制服を着て世界中を飛び回り、結婚してお子さんが生まれてからは、フランスに住んでいたこともあるそう、英語、フランス語少々を嗜む、豪快で愉快で物言いがすごくハッキリした女性。
マックのポテトが時々食べたくなるからと、マクドナルドで一緒に勉強したり。2週間に1度、3時間ほど英語の勉強と日々のおしゃべりを楽しんでいた。
さて、なぜ彼女と出会ったのか。
それは、前勤めていた旅行会社の先輩のお客さんだったから。先輩は物凄くフレンドリーで親身な接客が得意な人。カナダ行きの航空券を手配した時に、女性（先生）と仲良くなった。
英語を勉強したいと打ち明けた時に、「月2回、プライベートレッスンで1万円でどう？私が教えてあげるから。本当は、1回6000円だけど、2回受ける場合は1回5000円にしているの。」と彼女から、気軽に誘われたそうだ。
彼女は、もともと、英語のプライベートレッスンをしている人だった。
すっかり意気投合した先輩は、英語のレッスンを受けるようになり、たまたま私が先輩と約束をしていた日がレッスンの日で、「一緒にどうぞ」ということになり、彼女の生徒になったというのが経緯。
通常は、別々にレッスンを受けていて、たまに、先生と先輩と私と先輩の5歳の娘っ子とレッスンをすることもあった。
70代、40代、30代。レッスンの間、女子トークに花が咲く。時折、英語で会話するよう、お達しが出され、日常の愚痴やハプニングを英語で必死に話す。
「30過ぎたら女はみんな同級生よ。」のフレーズが響く。
塗り絵や折り紙、お絵かきをして時間を潰している5歳の女の子を横目に見ながら、彼女が私たちの同級生の扉を開くのを心待ちにしながら。
Smiycle
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