『あなたの雰囲気とブータン似合ってるわよ。』という言葉をもらった日から2年後のある日、小田急線の新百合ヶ丘駅にあるカフェで、私は76歳の女性から英語のレッスンを受けていた。
ふとしたことから、最近出かけた旅行の話になり、彼女が「私、ブータンへ行ったわよ。」と言った。
「『Are you happy?』のインタビューに行ったのよ。」と面白いでしょ私ってとアピールするかのように話す彼女は、私にはとても眩しかった。
ブータン王国が幸せの国ともてはやされていた頃、テレビでそれを見ていた彼女は、自分で確かめに行きたいと思ってブータンへ行ったらしい。
『Are you happy?』をみんなが集う広場で、繰り返しながら、彼女なりの答えを見つけたらしかった。
「選べない自由と幸せってあるのかもしれないわね。」とだけ教えてくれた。
後は、自分で考えなさい。ということだろう。
ブータンへ行った時は、70歳を超えていただろう彼女の行動力が羨ましかったし、希望をもらった気がした。
年を重ねていくことは、色で言うと、グラデーションが広がって、深く味のある色、それでいて透明感のある軽やかな感じになっていくような気がしていたけれど、彼女はそれをなんとなく体現してくれていたから、私はとても嬉しくて安心した。
その日は、英語ではない大切なことを学びました。
Smiycle
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