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執筆者の写真Maiko

ユニークな、お土産は突然に。





有り難く嬉しいことに、旅行の手配をしたお客様から、お土産を頂くことが時々あった。わざわざ帰国後に持ってきてくれる人もいたし、次の旅を予約する時に持ってきてくれたり。



断トツに多いのは、チョコレート。ベルギーとかパリのチョコレートなんかは、かしこまった箱と紙袋に入っているから、宝石でも入ってんのか?!と一瞬思う。ハワイは、定番のマカデミアナッツチョコレート。



コーヒーを常用している私にとっては、最高の組み合わせだった。



いつかの10月、デュッセルドルフに住む娘さんに、ちょくちょく会いに行くマダムがやってきた。いつも、私を指名してくれるリピーターの方でショートカットの髪に良く似合う、揺れる素敵なピアスをつけていて、黒のロングコートを着こなして。




このマダムが、私は好きだった。いつも、いい香りを身に纏っていたし、何より私とは全然違う洒落た感じと洗練された都会的な雰囲気がたまらなく良かった。



「いつものようにお願いね。」と私の前に座り、話始める。


カチカチとパソコンに向かい、提案された日付付近のチケットを探しはじめた。単純往復の航空券を手配するだけなので、気も楽だった。



「そうそう、面白いお土産見つけてきたから」と、ちょっと私の反応を楽しむように微笑みながら、机にぽんっとマダムは置いた。




「これ、これ!何でしょう??」


「何ですか???」


首を傾げる私に、マダムは嬉しそう。


「チェリーの種取機!!!珍しいと思って、あなたに買ってきたの。どうぞ。」


ふたりで、ユニークな器具を囲み、しばしニッコリ。面白いを共有していた。



帰り際、肩を触っている私を見たマダムは、「あなた、肩こりひどいの??」と聞いてきた。猫背の姿勢と目を酷使する仕事柄、私の肩こりは、それはもうひどいことになっていた。



マダムは、一本の褐色色の小瓶を取り出して、私に渡してくれた。



「これはね、ランベンターのオイルなの。鎮静効果もあるから使いなさいね。私も使っているの、イギリスのお店で見つけて、すごくいいから。じゃ、またね。」



ロングコートを羽織り、颯爽と帰って行く姿に、「惚れてまうやろ!」と心の中で呟いた。



Smiycle

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